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A型

当ページではB310サニーに搭載された、A型エンジンのオーバーホール作業をご紹介させて頂きます。

 

排気量が1600cc(ノーマルは1400cc)との事で熊本県のお客様が他店(個人売買?)で最近購入された車両ですが、エンジンパワーが無く異音もするとの事で仕様確認を兼ねて入庫しました。(画像左下)

 

A型エンジンオーバーホール
A型エンジンオーバーホール

まずはコンプレッションゲージで燃焼室の圧縮比を測定した結果、数値が極端に低いといった事はありませんでしたが、タペットクリアランスが開いているような「カチャカチャ」という音は確認出来ましたので、オーナさんとご相談しエンジンを降ろしました。(画像右上)

 

A型エンジンオーバーホール
A型エンジンオーバーホール

シリンダーブロックからオイルパンを外してやり(画像左上)、オイルストレーナー、コンロードの順で分解していきます。この時点で確認出来たのはピストンはノーマルではなく、1600cc仕様の物でしたので購入時の仕様に相違はありませんでした。 しかし・・・

 

A型エンジンオーバーホール
A型エンジンオーバーホール

各パーツを目視確認したところピストンの上部側面には破損(画像左上の黄枠内)がみられました。

原因は様々ですがシリンダーブロックとのクリアランスが悪かったり、圧縮計算を間違った組み方をするとこのような事になりやすいです。

 

又、カムシャフトには巣穴が発生(画像右上の黄枠内)しており、これも部品交換が必要となりました。

これはバルブのセット調が合っていなかった事が考えられます。他の原因としては当カムシャフトは競技用として販売されている既製品のハイカムではなく純正カムを加工して作られた物で、加工表面に熱処理が施されていないのも原因のひとつです。

 

A型エンジンオーバーホール
A型エンジンオーバーホール

ピストンが上記の様な状態でしたので、シリンダーブロックには縦傷(画像左上)が無数に入っており再ボーリングが必要ですが、既に1600cc 仕様までボア径が拡大されているので再使用不可によりブロック交換となりました。

別のシリンダーブロックを新規にボーリングし、ピストン4個を新品のハイコンプ仕様に変更して組み込みを行います。(画像右上)

 

A型エンジンオーバーホール
A型エンジンオーバーホール

ダイヤルゲージを用いバルブタイミング等の各種調整を行っていきます。

これをかなりシビアに行わないと、エンジンはレスポンス良く高回転まで回りませんので重要な作業となります。

 

A型エンジンオーバーホール
A型エンジンオーバーホール

車体色とエンジンルームを同色にしたいとのお客様希望により、塗装の為に補機類等の部品を全て取り外してドンガラ状態にします。この様にエンジンを降ろした時でないと、塗装は困難なので同時施工をお勧め致します。

 

A型エンジンオーバーホール
A型エンジンオーバーホール

油汚れ等を除去し下地処理でサフェーサーを塗布(画像左上)してやり、車体と同色の赤色に塗装を行います。

当店では外注作業による塗装だけではなく、自社工場にて塗装も可能なので希望される方はお気軽にご相談下さい。

 

A型エンジンオーバーホール
A型エンジンオーバーホール

塗装が完了したら取り外した補機類等の部品を順次取り付けしエンジンを載せます。

 

A型エンジンオーバーホール
A型エンジンオーバーホール

装着するトランスミッションは、サニー乗りの間ではレア品であるOP1(オプションワン)をチョイスしました。

お客様が持ち込まれた時の外観はサビが酷い状態(画像左上)でしたが、ワイヤーブラシで磨いて見た目をリフレッシュ(画像右上)させて頂きました。

 

A型エンジンオーバーホール
A型エンジンオーバーホール

キャブレターは従来OER45φが装着されていましたが、お客様が持ち込みでミクニ製ソレックス44φに付け替えてほしいとのご要望により仕様変更となりました。

 

A型エンジンは青柳秀明社長が所有するRS-AOYAGI310サニー(サーキット仕様車)にも搭載されており、当店が得意とするエンジンのひとつです。細かい仕様のご要望にも対応可能ですので、チューニングやオーバーホールをご要望の方は是非ご検討下さい。

 

※ 参考価格

A型エンジン 脱着工賃 50,000円(税抜)

A型エンジン オーバーホール工賃 150,000円~(税抜・部品代含まず)

エンジンの状態・部品の消耗度・仕様変更等により、料金はかなり幅がありますので詳細はお問い合わせ下さい。